INTERVIEW インタビュー

 

——演じていらっしゃる伊佐木要くんは、逢坂さんからご覧になってどんな男の子でしょう。

要はいつも飄々と、ニコニコしながら周りについていきますが、「何かやろう!」という時はいいことも悪いことも、真っ先に乗っかるタイプ。時々、「あの笑顔の裏には裏があるんじゃないか?」と感じることがあるんですが、そこがまた要のいいキャラクター性を引き出していると思います。意外と毒舌なところは僕も似ているかも知れません(笑)。

——そんな要を演じる上で大事にされていることはなんですか?

感情的にならないことですね。スタッフさんからも「要の表情の変化はあまり気にしないで」と指示されることがけっこうあって、フラットなお芝居を心掛けています。そして、喋り方が都会っぽくならないように。世間に染まったような芝居はしないようにしています。

——この作品はビジュアルの美しさや細かい描き込みも話題になっていますが、映像を最初にご覧になったとき、どう感じられましたか?

メインビジュアルが公開されたときから、青色がすごく綺麗だと思っていましたが、実際に動く映像になってみると、太陽の光は綺麗だし青色が素晴らしく映えていて……「すげぇ!」ではなく、「ふわぁ〜……!!」と感嘆しながら見入ってしまいました。本当にそこに海村があるんじゃないかと思えますよね。

——これまでで、印象に残っている台詞やシーンはどこですか?

第9話で、ちさきと紡の会話のあと要が言う「……あいつはちさきに、そんな顔させんだね」という台詞です。要がほぼ初めて、嫉妬めいた感情を露わにしたんじゃないかな? このあたりになると、紡が何かをすることがみんなの交錯する想いの起爆剤になってしまう。それにみんなが振り回されて関係性が崩れていくので……こっちとしては「紡、この野郎!」と思いますね(笑)。

——その紡や光のことを、逢坂さんはどう感じていますか?

光は、とてもリアルな思春期の男の子に描かれていると思います。恋愛のことは別としても、僕も彼のように誰かに反発したくてしょうがない反抗期的な時期がありましたから、彼の気持ちはよく分ります。紡は、(石川)界人くんもよく言ってますが、喋らなければいい男かな? でも、たまにぽそっと喋る言葉が女性陣をとてもキュンとさせているので……男からいちばん嫉妬されるタイプですよね!(笑)

——実際、アフレコスタジオはどんな雰囲気ですか?

僕や花江(夏樹)くん、界人くんはだいたい固まっているので、まさに男子校みたいですね。女性陣にはお聞かせできないようなトークもしてますし(笑)、学生っぽいノリはあるかも知れません。でもそれは休憩中だけで、皆さんオン/オフの切り替えがとても早い。動と静が激しいアフレコ現場という印象です。

——ところで逢坂さんご自身は、どんな中学時代を過ごされていましたか?

勉強は全然してませんでしたから、ソフトボール部の思い出しかないです(苦笑)。あとは中学2年生からアニメをすごく観るようになり、だんだんキャストにも目が向くようになったので、中学時代はこの世界に入るキッカケとなった時期ですね。

——『凪のあすから』は海と陸の人々のお話です。逢坂さんは海派ですか山派ですか?

僕自身は山で生きてきたんですが……今は綺麗な海で泳ぎたい気分! 泳ぎは超下手なんですけど!(笑)。

——なるほど(笑)。この作品はファンタジーもひとつのキーワードですが、逢坂さんが子供の頃よく読んでいた童話や絵本があれば教えてください。

すごく印象にあるのは『となりのせきのますだくん』という絵本です。隣の席の女の子に意地悪をするますだくんはずっと怪物で、最後の最後だけ男の子の姿に描かれる。女の子のますだくんのイメージはずっと恐ろしい恐竜だったんだけど……というお話で。幼稚園くらいに読んでから、ヒマがあればパラパラ見ていました。

——『凪のあすから』の劇中には、誰にも言えない気持ちを伝えると先のことを教えてくれるウミウシが出てきますが、逢坂さんが知りたい先のことは何ですか?

実は僕、子供はすごく欲しいんですけど、今はまだ結婚願望がないんですよ。そんな僕は家族を持つことができるのか? 娘を肩車して、テーマパークに遊びに行くという夢は叶えられるのか!? すごく知りたいです!(笑)

——では最後に、『凪のあすから』の今後にさらに期待を寄せる皆さんにメッセージをお願いします。

この記事を皆さんが読まれる頃は、ぬくみ雪が降り出してどんどんシリアスな展開になっていることでしょう。地上と海の小競り合いも含めて、みんながどうそれを解決していくのかがこの先描かれていくので、楽しみにしていただきたいと思います!